ふたつの身体の紹介です②
前回に引き続き、
『石っころと砂つぶの会話』二人目のダンサーの紹介は、KEKEさん。
また下記に今回の演出振付である作曲家のmagi.さんの紹介を転記します。
彼の身体への追及に惚れて、戦友でもあり尊敬してます。
このふたりのダンサーが揃うことは稀有なことでもあって、もう存分に味わっていただきたい。
magi.'s massage.
KEKEさんと共演したのは2013年の「わたしなあなたし」。
以降、彼のソロダンスの音づくりは、私がずっと担当してきました。
人から振り付けられれば、高い身体能力を活かしてどんな動きでも踊り尽くしてしまう。
しかし彼の身体の真価は、ソロ作品においてこそ十二分に活かされていると思います。
彼のソロ作品は、根源に純粋な「何か」を置き、
綿密な計算のもとにはじきだされた動きを、
素直さを失うことなく、余すところ無く出している。
私はそう感じています。
綿密すぎるが故に、繊細。繊細であるが故に、彼の世界に深入りすることを誘う。
深入りした先にあるのは、突き詰めた純粋さ。
そうしたKEKEさんの魅力は、私たち人間が
元々持っていたはずの純粋さや繊細さを、
作品を通して思い出させてくれていると、いつも思います。
彼の師匠である和田さんの稽古場にも、KEKEさんの縁で何度かお邪魔しています。
私が昔、純度の高い役者をめざし、自分と方向性の合う劇団で稽古をしていた頃を
思い出すような、純度の高いことに向かっていける稽古場です。
確かに、これを何年も続けていれば、純度が高くなるのもうなづけます。
KEKEさんはその上で、毎回ソロ作品において自分に「挑戦」を投げかけています。
飽くなき自分の深層の身体性の探求に、私は常に違う方法で切り込んでいますが、
その度に、明言しないまでも、彼が自分の作品のために持つ拘りの強さに驚かされます。
綿密かつ純粋・繊細であるために、見えてくる拘りがとても多い。
彼もまた、質の違う出演者。
今回曲を作る以上に演出までできることは、至上の喜び。
KEKE
大学在学中に身体表現「ミイム」を和田千恵子氏に師事する。
大学卒業後からダンスを始め、
伊藤キム主催のダンスカンパニー「輝く未来」に所属。
以降解散までメンバーとして所属した。
その後は伊藤キム振付作品のほかにMOKK、かえるP、尾花藍子作品などに出演している。
演劇の分野でも活躍し、PARCOプロデュースや維新派、アマヤドリなどに出演している。
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